新型コロナウイルス感染症を契機として、各企業で在宅勤務への対応が進んでいます。オフィス居室内や通勤交通機関での感染を避ける手段として、緊急テレワーク、緊急在宅勤務はとても有効です。
4月7日(火)、日本政府より特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されました。感染が急拡大している東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県が対象となりました。各都府県の知事からは、外出自粛や営業休止などが住民や企業に要請されました。
4月16日(木)、緊急事態宣言の区域が7都府県から日本全国へと拡大することとなりました。
参考:令和2年2月25日 新型コロナウイルス感染症対策本部(第13回)(首相官邸)
参考:首相、緊急事態宣言を発令 7都府県、5月6日まで(日経新聞)
参考:首相、緊急事態宣言 全国に対象拡大と表明(日経新聞)
5月14日(木)に39県の緊急事態宣言が解除され、5月22日(金)に大阪府・京都府・兵庫県が解除、そして5月25日(月)をもって残る北海道・東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県が解除となり、全都道府県における緊急事態が終了しました。
しかしながら、三密を避けるための「新しい生活様式」は、これからも、長期に渡り持続努力が求められるでしょう。そして事業活動において基本となるのが、テレワークへの取り組みです。画期的な治療法やワクチン開発が実現するまでは、第二波・第三波のパンデミックが再び来襲するリスクに備えなければなりません。
参考:新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました(厚生労働省)
参考:新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップについて(東京都)
参考:彩の国「新しい生活様式」安心宣言について(埼玉県)
首都圏の大手企業・先進企業では、2020年東京オリンピックに向けて、テレワークの取り組みを昨年から始めており、今回の事態に素早く対応した企業様も報道されています。しかしながら、多くの中小事業者様は、IT設備費用や導入情報の不足から、在宅勤務などまだまだ導入できない、無理とお考えではないでしょうか?
あきらめないでください。補助金・助成金の活用と、無料ITツールの活用で、緊急テレワークを始められます! 以下、ご説明いたします。
なお、経済産業省・中小企業庁の支援策に基づき、各地の商工会議所・商工会では、緊急の経営相談窓口を設け、資金繰りなどの相談にも対応しています。最寄りの商工会議所・商工会にお問い合わせください。経営課題についても、中小企業診断士などの専門家からアドバイスを受けられます。
参考:新型コロナウイルス感染症関連(経済産業省、ほぼ毎日更新)
参考:企業の皆さまへ-新型コロナウイルス感染症について-(埼玉県)
参考:「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」の設置について(川口商工会議所)
成熟度レベル | 達成内容 |
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0. 存在しない | 事業所に出勤しないと何もできない |
1. 初期 | 電話とメールで、在宅勤務者間の確実な連絡がとれている |
2. 反復可能 | コミュニケーションツールで、勤務中は常時、双方向の連絡がとれている |
3. 定義済み | 在宅環境から業務ITシステムが安全に利用できる |
4. 管理可能 | 業務や労務の状況がデータで可視化されている |
5. 最適化 | データに基づいて、業務や労務の最適化が図られている |
2. 反復可能 | コミュニケーションツールで、勤務中は常時、双方向の連絡がとれている |
中小企業基盤整備機構から、3月10日(火)にものづくり補助金(上限は原則1,000万円、補助率1/2または2/3)と小規模事業者持続化補助金(上限50万円、補助率2/3)、3月13日(金)にIT導入支援補助金(A類型:30万円以上150万円未満、昨年登録のIT支援事業者・ITツールのみとする臨時対応)の要項が発表されました。450万円までのB類型は、第二次での発表となるようです。一次締切は3月31日(火)で終了。今後、二次締切6月5日(金)・三次締切10月2日(金)、四次締切2021年2月5日(金)が予定されています。ものづくりとIT導入ではテレワークツール導入に、持続化では新型コロナによる売上減少に、加点措置されます。従業員の賃上げ取り組みも加点対象です。
リーフレット(ものづくり) https://seisansei.smrj.go.jp/pdf/0101.pdf
リーフレット(持続化) https://seisansei.smrj.go.jp/pdf/0102.pdf
リーフレット(IT導入) https://seisansei.smrj.go.jp/pdf/0103.pdf
リーフレット(IT導入特別枠) https://seisansei.smrj.go.jp/pdf/telework-support_0415_2.pdf
4月10日(金)に「IT導入補助金2020 公募要領 通常枠(A、B類型)版(暫定版)」、4月14日(火)に「IT導入補助金2020 公募要領 特別枠(C類型)版(暫定版)」が発表されました。C類型は、4月7日以降・5月10日以前に契約/納品/支払いが行われた費用も、さかのぼって補助対象になる点が大きな特徴です。450万円までの補助額です。
参考:IT導入補助金2020 (一般社団法人 サービスデザイン推進協議会)
4月28日(金)に小規模事業者持続化補助金の「コロナ特別対応型」特別枠が発表されました。上限100万円、補助率2/3以内です。概算払いによる即時交付もあり。申請要件として、サプライチェーンの毀損への対応、⾮対⾯型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備が補助対象経費の6分の1以上とされています。
参考:令和2年度補正予算「小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>」の公募要領を公開しました(中小企業基盤整備機構)
5月22日(金)、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金が拡充されました。「非対面型ビジネスモデルへの転換」と「テレワーク環境の整備」が補助対象経費の6分の1以上を越えるときは、補助率が2/3から3/4に引き上げられます。また、「持続化補助金(特別枠・通常枠)」「ものづくり補助金(特別枠)」において、ガイドライン等に沿った感染防止対策の投資に対し、新たに定額補助・補助上限50万円の別枠(事業再開枠)が上乗せされます。
参考:中小企業生産性革命推進事業による「事業再開支援パッケージ」を策定しました(経済産業省)
東京都(東京しごと財団)から都内企業向けに、3月6日(金)、テレワーク環境整備を支援する助成金の募集が始まりました。限度額:250万円、助成率:10/10です。5月12日(火)までの受付で、6月30日(火)までの整備完了、7月末までの報告書提出が条件です。今回は緊急の手当てで、100社分の予算を消化次第、終了となります。
⇒期間が延長されました。申請受付は6月1日まで(締切日必着)、7月31日までに完了する取組が対象です。
⇒期間が再延長されました。申請受付は7月31日まで(締切日必着)、9月30日までに完了する取組が対象です。
リーフレット https://prtimes.jp/a/?f=d52467-20200305-7681.pdf
東京都(公益財団法人東京都中小企業振興公社)から都内企業向けに、6月10日(水)、非対面型サービス導入経費を一部助成する募集が始まりました。限度額:200万円(申請下限額50万円)、助成率:2/3以内です。7月31日(水)までの受付、5月14日(木)から10月31日(土)までの経費が対象です。
報道発表資料 https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/06/10/11.html
社内なら対面で相談できたことが、在宅勤務になると簡単ではなくなるため、伝達(コミュニケーション)ツールの導入をおすすめします。対面とほぼ同じ状態を作るには、Zoom(ズーム)と呼ぶ無料から使えるウェブ会議システムが便利です。基本はテレビ電話の機能なので、カメラとマイクの付いたパソコンが望ましいのですが、カメラやマイクがなくても、Zoomを使う価値は大きいのです。例えば、同じ文書を離れた場所の担当者同士で一緒に見て、ケータイ電話で「ココのコレをああして…」と会話しながら、Zoomの画面で差し示しできるだけでも、仕事の伝達をスムースにできるからです。なお、3月1日(日)より、日本国内の教育関係者向けに、無償提供キャンペーンが始まりました。
参考:【Zoom】遠隔授業向け クラウドビデオ会議サービス「Zoom」 ■学校への提供 ■無料(2020年4月30日まで)
参考:Zoom プランと価格(Zoomビデオコミュニケーションズ)
そのほか、ウェブ会議システムでは長い実績と高品質で定評あるソフトに、Webex(ウェベックス)が挙げられます。これも幸いなことに2月25日(火)より、国内供給元のシスコシステムズ合同会社から90日の期間限定ですが無償ライセンスが提供され始めました。期間内は、利用回数や時間の制限無し、1会議あたり最大1000名まで参加可能なシステムです。無償支援期間が終わった後も、時間や機能の制限はありますが、無料プランが利用可能です。
参考:Cisco Webex Meetings 90日間無償支援プログラムのお知らせ(シスコシステムズ合同会社)
参考:Cisco Webex プランと価格(シスコシステムズ合同会社)
Googleからも3月4日(日本語訳は3月5日)に支援策が発表されました。最大250人の大規模会議、最大10万人視聴できるライブストリーミング、会議記録が提供されます。
参考:高度なビデオ会議機能を、新型コロナウイルス対策に取り組む企業や学校に(Google)
社内の会議室で何人も集まる会議に在宅勤務者が参加したい場合は、マイクスピーカーを用意しなければなりません。在宅勤務者側は、簡単なイヤホンマイクや数千円ほどのヘッドセットで良いのですが、会議室側は参加人数分の声を拾える高性能なマイクスピーカーが必要になります。4人までの声を拾って実用になる製品は3万円くらいからありますが、人数が増えると対応製品は高額になります。ヤマハ、Jabra(ジャブラ)、ポリコムなど各社の無料貸し出しプログラムを利用して評価すると良いでしょう。製品選定は利用環境に応じたコツがありますので、実評価の経験を持つ当事務所までご相談ください。
参考:音声コミュニケーション機器 デモルーム・無料貸出(ヤマハ)
参考:無料トライアルにお申し込みください(Jabra)
参考:ご購入の前にお試しください(ポリコム/プラントロニクス)
カメラは、個人用のウェブカメラと会議用のカンファレンスカメラに大別できます。
ウェブカメラは、エレコム、バァファローなどのパソコン周辺機器メーカーからも販売されていますが、ロジクール製品の人気が高いようです。ロジクール1社だけでも、ランク別にいくつものモデルがラインナップされていて選択は悩むところですが、オートフォーカス機能を持つC525n以上であれば、カードのような小物をカメラに近付けて見せることもでき、内容は十分でしょう。
参考:ウェブカメラ新製品を7機種発売 既存の人気製品をリニューアル(株式会社ロジクール)
3月下旬以降、テレワーク需要の高まりにより、ウェブカメラの品薄が起こっています。代替策として、スマーフォンの内蔵カメラがウェブカメラ代わりに使えるアプリ「NDI HX Camera」「DroidCam」「iVCam」などを試してみると良いかも知れません。デジタルカメラをウェブカメラとして使うことも、機種によってはできるようです。
参考:スマホをパソコンのウェブカメラに変える方法(GIZMODE)
参考:Webカメラが品切れでもOK? スマホをWebカメラとして使える「iVCam」を試してみた(PC Watch)
参考:デジタルカメラをWebカメラとしてMacで使おう!HDMIキャプチャなしで!(INTERNET Watch)
参考:キヤノン機をWebカメラ化する「EOS Webcam Utility Beta」導入レポート(デジカメWatch)
カンファレンスカメラは、広角レンズやパノラマレンズで、会議室の広い範囲を写せることが特徴です。電動機構(PTZ:パン・ティルト・ズーム)搭載で望遠域まで高画質を維持する製品になると10万円以上しますが、一般的な社内会議にそこまでの内容は必要ないでしょう。画面でじっくり見たいのは、参加風景よりも資料のほうです。エクセルやパワーポイントなど、電子ファイルの資料を見せるのにカメラは要りません。まずはウェブカメラで会議を運用してみて、どうしても必要と感じたときに限って、カンファレンスカメラを検討しましょう。
簡単な文字会話(チャット)には、LINE(ライン)をお使いの方も多いかと思います。LINEは便利で優れたソフトですが、仕事に使おうとすると、私用のメッセージと入り混じって業務効率を下げる恐れがあります。できればLINEとは別のコミュニケーションツール利用もご検討ください。LINEのビジネス版であるLINE WORKS(ラインワークス)のほか、Slack(スラック)、Chatwork(チャットワーク)が無料から使えて日本国内の利用者も多いソフトです。
そのほか、テレビ会議とチャットを統合し、アウトルックなどのスケジュール帳とも連携できる、Microsoft Teams(マイクロソフトチームズ)という製品もあります。利用者別にきめ細かく権限範囲を設定できるのも大きなメリットですが、どちらかと言えば従業員数が多く専任のIT担当者を置ける企業で効果の大きいソフトです。
在宅勤務者に向けた通達などは、メールで発信されるかと思います。しかし、何通ものメール通達が続くと、少し前の情報は探すのが難しくなるかも知れません。そこで活用いただきたいのが、ホームページです。発信した情報をホームページにも掲載しておければ、後からまとめて確認しやすくなります。ただし、そのままでは従業員以外の外部の人々にも見られてしまいますので、内部情報を掲載できません。パスワード保護したページが作れると、パスワードを知る従業員のみに閲覧者を限定できます。設置している既存のホームページにパスワード保護の機能がない場合は、新しいホームページサービスの活用が有効です。カンタンに作れるホームページ作成サービス「ペライチ」ならば、毎月500円のオブションを追加することで、パスワード保護ページが作れます。
ペライチの大きな特長のひとつに、ネットショップをカンタンに開設できる、オンライン決済機能が挙げられます。ホームページに掲載された商品を見たお客様が購入ボタンを押した後、クレジットカードやコンビニ支払いで代金が回収できるシステムです。
3月9日(月)、株式会社ペライチより「決済オプション」を3か月無償で提供する発表がありました。新型コロナウイルスで実店舗への売上が減少している事業者様への支援策です。
参考:ペライチ「決済オプション」を3ヶ月間無償で提供 ~ 新型コロナウイルス対策、「今できること」で社会を応援 ~(株式会社ペライチ)
労務管理において在宅勤務特有なものに、上記の事項が挙げられます。詳しくは、日本テレワーク協会がまとめているリンク集をご参照ください。中央省庁・自治体・外郭団体とそれぞれから発信される都合上、情報源が多い点には、ご留意願います。
参考:テレワークのガイドライン、事例等(日本テレワーク協会)
一見して面倒この上なさそうですが、今は非常事態、やるしかありません。緊急対応では、近隣地出張や社外勤務の既存規程範囲で在宅勤務を扱う例もあるようですが、専門家にご相談いただくのが賢明です。法的基準に基づいた個別判断につきましては、最寄りの商工会議所・商工会で社会保険労務士などに相談ができますので、そちらもご検討ください。
まずは、労務管理を自己裁量で推進できる社長・代表・役員・管理職から、在宅勤務の試行をおすすめします。リーダーシップを発揮する意味でも、先手を打ちましょう。事業存続の重要性からも役員・管理職が在宅対応できることは最優先です。資料作成や更新でパソコン利用負荷の高い一般従業員に比べ、確認や承認の割合が高い管理職のほうが、ITツールの整備も比較的容易です。そして、管理職のテレワーク体験後は、公的な補助金・助成金を活用した全体導入も判断しやすいかと思います。
この機会に、勤怠管理や業務管理を支援するITツールの活用も検討されると良いでしょう。無料から使えるプロジェクト管理ツールもあります。ユニークなところでは、ネットから質問に答えるだけで社内規程を自動作成してくれるサービスや、契約書の法務チェックをAIがやるサービスも登場しています。
参考:社内規程クラウド「KiteRa」、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、リニューアルしたテレワーク規程(在宅勤務規程)の無償提供を開始(株式会社KiteRa)
参考:弁護士の知見を学習したAIがあなたの代わりに契約書をチェック、ワンコインチェック新登場!!(GVA TECH株式会社)
テレワークとともに考えたいのは、対外接点のネット対応です。お客様や取引先も対面を避けるようになりますので、営業活動は足で通うよりもITツールを活用する戦法に変えていく必要があります。宣伝方法も、チラシ集客からネット集客に変えていかないと、先がありません。採用面談もネット対応にすることで、若く優秀な人材の獲得チャンスが増やせるでしょう。
参考:新型コロナウイルスの感染拡大による出社・来社困難に備えた、オンライン面接「インタビューメーカー」無償提供開始(株式会社スタジアム)
そして、ITツールの整備においてぜひ頼りにしていただきたいのが、私たち公的資格を持った専門家の相談窓口です。
メールでの相談 |
簡易なご回答は無料。調査回答を要するものは、当方の所要時間に応じてお見積もりを提示、ネット決済(クレジットカードまたはコンビニ払い)をいただいての調査回答となります。 |
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電話での相談 |
初回30分までは無料。30分を越える場合は、ネット決済(クレジットカードまたはコンビニ払い)をいただいてご相談を承ります。 |
Zoomでの相談 |
Zoomご利用が可能でしたら、おすすめです。電話とメールで当方とのやり取りを交わし、お使いのパソコンにZoomインストールのご支援もできますので、ぜひご検討ください。 初回30分までは無料。30分を越える場合は、ネット決済(クレジットカードまたはコンビニ払い)をいただいてのご相談となります。 |
来所での相談 |
当事務所のパソコンでZoomやDesktop VPNなどの操作を実際にご覧いただくこともできますし、持参いただいたパソコンにその場でソフトインストールをご支援することもできます。 初回60分までは無料。60分を越えた場合は、ご相談後5営業日以内での金融機関振込、あるいはネット決済(クレジットカードまたはコンビニ払い)でも承ります。 来所前にメール・電話・Zoomでの無料相談を差しあげました場合も、来所分は初回60分無料です。また、受託などのお見積りになりました場合は、60分を越えるご相談も無料です。 |
訪問での相談 |
日程と場所によりましては、当方が訪問してのご相談も可能です。お問い合わせください。 |
Zoomでの相談 |
Zoomご利用が可能でしたら、おすすめです。電話とメールで当方とのやり取りを交わし、お使いのパソコンにZoomインストールのご支援もできますので、ぜひご検討ください。 初回30分までは無料。30分を越える場合は、ネット決済(クレジットカードまたはコンビニ払い)をいただいてのご相談となります。 |